⑮相続人を廃除する場合

作成する際は、必ず自書してください。

「あなたの財産を誰に渡したいのか」を書きます。

1

遺言者の長男○○一雄(昭和○○年○○月○○日生)を相続人から廃除する。

遺言執行者を指定する場合の書き方の例です。

2

本遺言の遺言執行者として、弁護士○○○○(宮城県仙台市△△区××町○○番○○号)を指定する。

付言事項(廃除の理由)の書き方の例です。

3

一雄は、高校生のころから家出を繰り返し、無断で財産を持ち出すことも数えきれないほどあった。注意しても暴力をふるい、平成○年○月には、遺言者は肋骨を折られるなど全治6か月のけがを負い、入院生活も強いられた。別途、医師の診断書を添付する。
一雄には、これ以上家族に迷惑をかけず、真人間となって生きてほしい。

【解説】

相続人の廃除とは、被相続人が、 特定の相続人の相続権を奪うことができる制度 です(民法第892条)。主に、被相続人に対する重大な非行を行った相続人を、遺産を受け取る対象者から排除するために行われます。これは、現代民法に残る勘当の制度ということができます。

相続人の廃除は、被相続人に対する虐待(DV・暴力)や著しい非行非行があった場合に認められます。
廃除が認められると、その相続人は 遺留分も含めて一切の相続権を失います。

相続人の廃除は、被相続人が存命中に、家庭裁判所に申し立てて相続人の廃除を求めます。
遺言で廃除することもできます(民法893条)。この場合、被相続人が、遺言書に「〇〇を廃除する」と記載します。ただ、この場合も、直ちに排除の効力が発生するのではなく、被相続人の死後に、遺言執行者が家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。

文例では、「〇〇を廃除する」と記載するとともに、遺言執行者の指定を行っています。(詳細は「相続人の廃除」)