⑨財産の一部を寄付する場合

作成する際は、必ず自書してください。

「あなたの財産を誰に渡したいのか」を書きます。

1

遺言者は、難病研究に役立てるため、遺言者が有する遺言者名義の○○銀行○○支店の定期預金(口座番号○○○○)の全額を、医療法人○○総合研究所(東京都○○区○○町○丁目○番○号)に遺贈する。

付言事項の書き方の例です。

2

私が長年苦しんだ○○病の治療に関する研究が進み、この病気で苦しむ人が一日でも早くいなくなることを願って、些少ですが前記の財産を贈ることにしました。○○総合研究所のこの病気に関する研究に役立ててもらえれば幸いです。
子どもたちの相続分が減ってしまいますが、父の想いを尊重するようお願いします。

【解説】

この場合も、相続人との間では遺留分の問題が生じます。ただ、相続人も特別縁故者(詳細「特別縁故者」)もいない人の場合は、遺言をしておかないとその遺産は国庫に帰属することになります(法第959条)。死後の自分の財産の帰属を自分の意思で自由に決めることができるという遺言の制度があるのですから、大いに活用すべきです。

具体的な遺贈先がない場合、日本赤十字社などに相談すればよいでしょう。