⑥長男に墓や仏壇を継がせる(祭祀承継者を指定する)場合

作成する際は、必ず自書してください。

「あなたの財産を誰に渡したいのか」を書きます。

1

遺言者は、○○家の祭祀承継者を長男の一雄(昭和○○年○○月○○日生)に指定する。△△霊園の墓地の永代使用権及び墓石、仏壇、位牌のほか、祭祀に必要な財産を一雄に相続させる。

2

祭祀に必要な費用として、遺言者名義の○○銀行○○支店の定期預金(口座番号○○○○)を祭祀承継者である一雄に相続させる。

付言事項の書き方の例です。

3

一雄は、お盆やお彼岸、先祖の命日などには供養を怠らず、墓を守っていってください。
ほかの子どもたちは、先祖を大事にする気持ちを忘れず、また、一雄の今後の負担を考え、遺留分の請求をしないようにお願いします。

【解説】

祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)とは、家族の祖先の祭祀を主宰する者を指します。具体 的には、墓、仏壇、位牌、神棚などの祭祀財産の管理や、祖先の供養を行う責任を負う人です。

「これに関し、民法897条では、以下のように定められています。

第897条(祭祀に関する権利の承継)

  • 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。

  • 前項の規定にかかわらず、被相続人が指定した者が承継することができる。

ここの2項にいう指定を、文例のような記載により遺言により行うものです。
(詳細「祭祀承継者」)